回転寿司で語る日本史「内大臣・桂太郎」

 

barthesorbakhtin1988.hatenadiary.com

 

◯前回まで:2個師団増設問題にからまり、第2次西園寺内閣が瓦解。桂太郎が3度目の総理大臣に就任したが……?

 

 

そーきち「桂太郎は組閣(そかく)するとき、ある役職に就(つ)いていたんだ」

トロツキー「なに」

そーきち「『内大臣侍従長(ないだいじんけんじじゅうちょう)』」

トロツキー「は!?」

そーきち「『内大臣』の役目。まず1つ目は、『天皇御璽(ぎょじ)』と『日本国璽(こくじ)』を保管すること」

トロツキー「『ギョジ』? 『コクジ』?」

そーきち「すっごく大雑把にいうと、『御璽』は天皇陛下のハンコで、『国璽』は大日本帝国のハンコだよ」

トロツキーあかん怒られるでその説明は!!:(;゙゚'ω゚'):

そーきち「まぁこの会話を盗聴して論文の参考にしようなんてお客さんはいないだろうし……」

 

ガタッ

 

トロツキー「お、おい!!:(;゙゚'ω゚'): 奥のほうで何か音がしなかったか!?」

そーきち「ダイジョーブ博士(ヾノ・∀・`)」

 

そーきち「『内大臣』の役目の説明に戻るよ。2つ目が、『宮中(きゅうちゅう)』で天皇陛下を『常侍輔弼(じょうじほひつ)』すること」

トロツキー「????」

そーきち「『宮中』ってのは『天皇陛下がお住まいになっているところ』」

トロツキー「……つまり、『皇居』ってこと?」

そーきち「まあそうだよ。で、『(はべ)る』だからいつも陛下のお側にいつも居(お)りまして、『輔弼(ほひつ)』……まぁつまり、陛下にアドバイスする役割だな」

トロツキー「あ、アドバイス?(;´Д`)」

 

ガタッ

 

トロツキー「ほ、ほら!! ぜったい近くの席で誰かが聞き耳立ててるって!! (;´Д`)」

そーきち「妄想だよ」

 

そーきち「大日本帝国憲法の性質を把握してればわかりやすいよ!」

トロツキー「どういうことだよ」

そーきち「大日本帝国憲法天皇の権限(天皇大権 てんのうたいけん)が極めて大きい憲法だったんだ」

 

第55条国務各大臣ハ天皇輔弼シ其ノ責ニ任ス

 

引用元:国会図書館サイト内「大日本帝国憲法」より、下線部は引用者

http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j02.html

 

そーきち「国務大臣、宮内(くない)大臣、内大臣天皇を『輔弼』するのみ……助言はしても、権能(けんのう)を持っているのは『主権者』たる天皇陛下だったんだ」

トロツキー「ようするに『天皇主権』ってことだな」

そーきち「知ってんじゃ~ん( ^д^)つ))`Д´)グリグリ」

トロツキーうぜぇ!!

 

 

トロツキー「で、桂太郎は、首相になるまで内大臣だったんだよね?」

そーきち「うん」

トロツキーそれのどこがまずかったの?

 

 

次回予告:「宮中と府中のあいだ(仮)」

ビストロで語る世界史「ルネサンス情熱~文芸編~ ダンテの巻」

ヘイゲル先生、アルベルティ君、温泉マーク先生がスパゲッティを食べていました

温泉マーク「うめええええええええええ!! まるで宮﨑駿のアニメ映画に出てくるスパゲッティみたいだ!!!!!!!」
アルベルティ「ふふふ、ご満足いただけたようだ。うれしいよ」
ヘイゲル先生「あのー」
温泉マーク「なに」
アルベルティ「なに」
ヘイゲル先生「せっかくスパゲッティ食ったんだから、珈琲飲みながら、ルネサンスの話しない?」
アルベルティ「(≧∇≦)bイイネ!」
温泉マーク「なんでスパゲッティがルネサンスにつながるの?」
アルベルティ「何言ってんの!? ルネサンスっていったらイタリアだろォ!? フィレンツェミラノ・ローマ……」
ヘイゲル先生「まぁまぁ」

ルネサンス文芸

ダンテ

ヘイゲル先生「普通はルネサンスが生まれた背景についてややこしい説明が入るところだけど、敢えて具体的な作家・作品から入っていくよ!」
アルベルティ「(≧∇≦)bイイネ!!」
ヘイゲル先生「まずはなんと言ってもダンテ神曲』(しんきょく)だ」

神曲 地獄篇 (講談社学術文庫)

神曲 地獄篇 (講談社学術文庫)

温泉マーク「AKB48にそんな名前のアルバムがあったような……」
アルベルティ「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン」
温泉マーク「うわっ!! うぜぇ」
ヘイゲル先生「マァマァ(((ノ´ー`)ノ」

アルベルティ「地獄に堕ちてダンテ様を崇めろ、温泉マーク!!
温泉マーク「やだ💢💢」
ヘイゲル先生「マァマァ(((ノ´ー`)ノ」

温泉マーク「だってこの小説古すぎるよ」
アルベルティ「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) スパパパーン」
温泉マーク「なんで殴打されなきゃならないん!? アルベルティに殴られると、ほんとう痛いんだけど。゚(゚´Д`゚)゚。」
アルベルティ「神曲』が小説だ、とかいう間違った知識で、よくもこれまで生きてこられたな!! (#゚Д゚)
温泉マーク「小説じゃないのなら、なんなの?」
アルベルティ「叙事詩だよ、『叙事詩』」
温泉マーク「小説と『叙事詩』はどう違うの」
アルベルティ「貴様それでよくのうのうとこれまで生きてこられたな!! (#゚Д゚)
温泉マーク「( ゚Д゚)ハァ?
ヘイゲル先生「マァマァ(((💢ノ´ー`)ノ」

アルベルティ「……」
温泉マーク「……」

ヘイゲル先生「ダンテは詩人だね。ヨーロッパの近代的な小説ができるのは、まだあとの話だね」
温泉マーク「『叙事詩』っていったいなんなんです」
ヘイゲル先生「温泉くんコトバンクって知らない?」
温泉マーク「ウェブサイトですかそれは」
ヘイゲル先生「『信ぴょう性がもう少し高いウィキペディア』みたいなものをイメージしてくれたらいいな。
 そういうインターネット辞典みたいなサイトで、『デジタル大辞泉』だったり『ブリタニカ国際大百科事典』だったり『ニッポニカ』だったり、いろんな辞典からひっぱってきてるんだよ。
 特に『ニッポニカ』はその項目を書いた人の名義がちゃんと載っていてオススメだよ~」
温泉マーク「なるほど、『コトバンク』で『叙事詩』と検索すればいいんですね」

kotobank.jp

ヘイゲル先生「『神曲』の記事もちゃんと載ってるから、ここで説明するより、あとで検索して読んでもらえたらいいかな♥」
温泉マーク「せんせい♨」

アルベルティ「うわっ、なんか……(-_-;)」

アルベルティ「まぁダンテ様がいちばん凄かったのは、ラテン語ではなく”トスカナ語”で『神曲』をお書きになったことだな」
温泉マーク「トスカナ語? なにそれ美味しいの」
アルベルティ「は!? (-_-;💢)」
ヘイゲル先生「トスカナ語は、イタリア語の一種だよ。つまり”口語的”だったってことさ。
 各方面から怒られるかもしれないけど、つまりは単純に、『源氏物語』みたいな古文じゃなくて、現代文でこの時代に作品を書いた、と言ってもいいと思うよ!」
温泉マーク「スゲ━━━━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━━━!!!!」
アルベルティ「(-_-;)」

次回予告

回転寿司で語る日本史「大正、でも、くらしいい!?」


◯某所某回転寿司

おすし『ぐるぐる~っ』




トロツキー「なんなのこの干からびた生エビ!? 💢」
そーきち「嫌ならタッチパネルで頼めよ」
トロツキー「本末転倒じゃん、回転寿司じゃないじゃん💢💢」
そーきち「時代は変わるんだよ……そう、この国の歴史みたいにな。
 あんたの国が、それこそ、そうだっただろ?」


そーきちのウザイ自分語りが始まる

「まず、おれと日本史の出会いについて話したい」

「小学生に上がるか、上がらないかだった。親父が書店に俺を連れて行った。親父は中学の社会科の先生だった」

学習漫画の『日本の歴史』を買い与えてやると親父は言った。当然第1巻(原始時代)から読むものだと親父は思っていたようだ」

「だが俺は『大正時代』の巻を選んだ。学研だったか、集英社だったか。いずれにせよ今よりひとまわり旧(ふる)いバージョンだ。題名が『大正デモクラシー』だったと思う」

「親父は疑問に思っただろうが、俺の『直感』を優先してくれた。たぶん、『大正時代』の巻を選んだのは、表紙に描かれていた電話機やラジオが物珍しかったんだと思う」

そーきちのウザイ自分語りが終わり、トロツキーはそーきちを急かす

トロツキー「ゴタクはいいから、はやくこの国の歴史を教えてくれよ、高校レベルの日本史をやるんだろ?」

そーきち「大正時代から始める」
トロツキー「なんで」
そーきち「大正時代が好きだから^^」
トロツキー「(-_-;)」

そーきち「だってさ、トロツキーよ、まさにあんたの国で世界史に残る大事件が起こった時代だぜ、大正時代は」
トロツキー「わかってるよ、それは……わかってるけどさ」
そーきち「不満?」
トロツキー「普通は『ヒミコ』とかの時代からやるもんだろ」
そーきち「あんたの国ではどうだったんだ」
トロツキー「それはその……秘密事項です」
そーきち「(・∀・)ニヤニヤ」

そして本題へ……

そーきち「正直つまんねーんだよな。ロシア史で、『タタールのくびき』とか、いきなりやられても」
トロツキー「いや、『タタールのくびき』の前にも、いろいろあっただろ」
そーきち「ほんとかいな」
トロツキー「ほんまやで」

そーきち「でもさぁ、正直アレクサンドル2世が爆殺されないとつまんないんだよね
トロツキー「は!? 💢💢」
そーきち「おっとジョーダンジョーダンマイケルジョーダン。それはそうとして、日本史をやるぜい」

西園寺公望の憂鬱

そーきち「桂太郎って総理大臣がいたんよ」
トロツキー「うん」
そーきち「西園寺公望(さいおんじきんもち)さんとかわりばんこで内閣運営してたのね(『桂園時代』)」
トロツキー「ほほお」
そーきち「西園寺さんが総理大臣やってたとき(第2次西園寺政権)に、明治天皇が亡くなって、いろいろあって、あたらしい天皇が即位して」
トロツキー「大正時代になったんだ」
そーきち「そーよ」

そーきち「その時の西園寺内閣は危うかったんですよ」
トロツキー「なんで」
そーきち「あんたの国にも軍隊ってあっただろ」
トロツキー「そりゃまあな」
そーきち「当時は軍隊があって、陸軍に血の気の多いヤツが多かったんだ」
トロツキー「いいのかよそんなこと言って。真向かいのお爺ちゃんが真顔でこっち凝視してるぞ」
そーきち「えーのえーの」
トロツキー「あっお爺ちゃんが会計ボタン押しちゃった」

トロツキー「お前のせいだぞ、そーきち💢💢」
そーきち「えーのえーの」
トロツキー「えーわけなかろう」
そーきち「とにかくねえ、山県有朋(やまがたありとも)っていう嫌われ者の政治家兼軍人がいまして」
トロツキー「スルーかよ」
そーきち「まさに陸軍のドンだったの。桂太郎は山県の下にいたの。で、桂太郎の下に上原勇作っていう軍人がいたの」

そーきち「それで、上原勇作が時の西園寺内閣の陸軍大臣だったの。トロツキーよ、『2個師団増設問題』って知っとるけ?」
トロツキー「は!? ニコニコ動画?」
そーきち「流石にその受け答えはないだろー」

そーきち「要するに、日本陸軍は、陸軍のちからを増強したかったの。でも、西園寺首相は『予算ないから無理』って陸軍の要求を突っぱねたの。そしたら陸軍大臣だった上原勇作が辞めちゃったの
トロツキー「それでどうなったの」
そーきち「内閣総辞職
トロツキー「( ゚Д゚)ハァ?」

そーきち「さっき山県有朋が陸軍のドンだって紹介したでしょ?」
トロツキー「うん……」
そーきち「明治時代、山県有朋が総理大臣だったときに、『軍部大臣現役武官制』っていう制度をつくったの」
トロツキー「それがどうかしたの」
そーきち「『軍部大臣現役武官制』ってことは、陸軍大臣海軍大臣が現役の軍人でないと内閣作れないってことでしょ」
トロツキー「それが?」
そーきち「上原勇作辞めちゃったじゃん」
トロツキー「( ゚д゚)ハッ! 上原勇作は陸軍大臣……陸軍大臣がいないと内閣は当然作れない……
そーきち「まだわからないのかよ」

トロツキー「わかったよ。つまり山県や桂、というよりも陸軍サイドがゴネて『現役武官』陸軍大臣を擁立しなかったんだろ。それで西園寺さんは『もはやこれまで』って、カンネンして、総辞職したんだろ」
そーきち「そーゆーこと。で、めでたく桂太郎三度目の総理大臣に相成りました」
トロツキー「めでたかなさそうだけどな」
そーきち「鋭いw」

次回予告